野生動物の王国、北海道。
そんな北海道に暮らす小さな渓流魚、オショロコマ。
今回はそんなオショロコマの釣り方について紹介していきます。
目次
オショロコマについて!
オショロコマは日本国内では北海道のみに生息するトラウト(マス)の仲間です。
種類としては本州のイワナに近く、細長い体を持ち源流域等の水量が少なく流れが強いところを好んで生活しています。
食性は肉食。小魚から羽虫、川虫などの昆虫まで口に入る大きさの物を幅広く食べているので、フライからミノーイングまでいろいろな釣り方で楽しむことができます!
北海道で見られる個体は海に降ることが少ない(ほぼ無い)ため、各河川によって体色に差が出ます。
オレンジが濃かったり薄かったりと個性溢れるオショロコマは、釣りの味以外の魅力も感じさせてくれます!
ちなみに食べても美味しくはないらしく、地元の釣り人にも人気はありません。
降海型のオショロコマ、「ドリーバーデン」は国内でも釣れる?
オショロコマの降海型である”ドリーバーデン”は、40cmを超えるサイズと毒々しいまでの鮮やかな体色が人気のゲームフィッシュです!
ロシアのカムチャッカ半島などでは物凄い個体数がいるらしく、「誰でも釣れる」状態らしいのですが残念ながら日本国内での釣果報告はごくわずかです。
ですが決して釣れないわけでもないらしく、知床半島でカラフトマスを狙っていた地元の方が50cmクラスのドリーバーデンをキャッチされていたり、2020年夏に僕の竿にもそれらしき魚がヒットしたりと数は少ないですが一応存在はしていると思われます。
※河口のすぐ近くでスピナーにヒットした青味掛かったオショロコマ。
オショロコマを狙う際の注意点3つ!
オショロコマを狙う際に絶対に留意して欲しい注意点3つです!
自身の安全と北海道の自然の未来のために、アングラーとして守りたい事項をまとめました。
キャッチアンドリリースの心がけを!
注意点の1つ目はキャッチアンドリリースについてです。
オショロコマは北海道の貴重な固有種であり、世界遺産の生態系の一部を担う存在でもあります。
ですが当然、人間が乱獲してしまえば数は減り、個体数そのものの減少やオショロコマを食べて暮らしている野生動物等にも影響が及び、結果的に生態系の破壊につながる可能性が十分にあります。
実際に釣りをしてみると、ルアーでも餌でも簡単に釣れてしまうこの魚ですが、たくさん釣れるからといってたくさん食べてしまうと環境に負担を与えることにつながるので乱獲は控え、キャッチアンドリリースの精神を尊重して釣りをしたいものです!
※知床半島にある、キャッチアンドリリースを促す看板
カラフトマスやサクラマスとの混獲に要注意!
注意点の2つ目は他魚種との混獲についてです。
地域によっては(特に知床などでは)採捕に規制がある魚種がオショロコマと同じ環境で暮らしていることがあります。
具体的にはサケやカラフトマス、サクラマス、ヤマメなどの魚種で、オショロコマを釣っているつもりでも、それらを混獲してしまうと処罰の対象になります。
なので、遡上鱒が大量に泳いでいる川での釣りを避けるなど、出来る限りの対策はするようにしましょう!
それでも万が一釣れてしまった場合には、写真等は撮らず、迅速なリリースが求められます。
※ルールに則り海で釣ったカラフトマス
ヒグマとの遭遇にも要注意!
注意点の3つ目はヒグマとの距離感及び遭遇についてです。
オショロコマが住むような渓流は、多くの場合でヒグマの餌となるもの(木の実や葺の葉、昆虫など)が豊富に存在しています。
なので、渓流に入るということはヒグマとの距離が近づいているということを忘れないでください。
熊鈴や熊避けスプレーの携行などの出来る限りのクマ対策をし、釣りに集中しながらも奥地へ行きすぎず、常に周りの匂いや動物の気配を警戒するなどの心がけが必要です!


ヒグマの目撃情報がある沢。
北海道のオショロコマ釣り情報まとめ!
前置きが長くなりましたがここからは北海道のオショロコマ釣りについてです!
1匹釣るための方法からおすすめルアー、大型の狙い方まで、北海道のオショロコマ情報を僕自身の経験を踏まえて書いていきます。
最盛期は夏!?狙うのに適した時期について!
まずオショロコマを狙う時期についてですが、前提としてその気になれば一年中狙うことができます。
ですがやはり北海道特有の豪雪や低気温の影響で、釣りがしやすいのは春から秋になります。
特に夏は水面の小型昆虫へのライズが多かったり、小型個体のルアーへの反応も良かったりとかなりオススメです。
また、初春は冬眠明けの熊と遭遇する確率が上がるので奥地へ踏み込みすぎるのは避けましょう!
知床半島が激アツ?オショロコマが釣れるポイントについて!
オショロコマを狙う際のポイントですが、本州ではイワナが好んで住むような沢や小規模な渓流に多く生息している印象です!
そしてそういった川が多く存在しているのが知床半島です。
もちろん本流の流れが太いところでも釣れなくはないですが、なんとなく個体数が少ないのと、他魚種の混獲の可能性を考えると小規模な渓流を歩いて回った方が心置きなくたくさん釣ることができます。
また、大型個体を狙いたいときは滝壺や堰堤の上下がオススメです!
こういった場所は適度な流れと水深が確保されていることがほとんどで、流れてくる餌を食べやすいという利点もあるので、その辺一帯で一番大きく元気のある個体が陣取っていることが多いです。
そして大体の場合で一番最初にルアーに反応してくるのは一番大きい個体です。
型を狙わない場合でも、チャラ瀬がほとんどの川や渇水時の川では、1つのプールで20匹近く釣れることもあり超一級ポイントです!
オショロコマを狙う際のおすすめルアー4選!
オショロコマ攻略のおすすめルアーについてです!
基本的には本州の渓流と同じ感覚での攻略が可能ですし、むしろ本州よりもよく釣れることの方が多いので、普段は使わないルアーや釣り方にチャレンジする良い機会でもあります。
おすすめルアーNo.1:スミス/AR-s(スピナー)
おすすめルアーの1つ目は、スミスの渓流用スピナー、AR-スピナーです!
正直なところ、これだけを延々とただ巻きしてもかなり釣れます。小さい個体の数釣りから大型狙いまでこなしてくれる万能ルアーです。
サイズも1.6gから6.0gまでがラインナップされており、水深十数センチのチャラ瀬から滝壺のような深場までをカバーすることができます。
キャストの際もスプーンやミノーなどより空気抵抗があるので初速が出過ぎず、キャストが狙ったところに行きやすいので扱いやすいルアーです!


おすすめルアーNo.2:スミス/Dコンパクト
おすすめルアーの2つ目は、スミスのヘビーシンキングミノー、Dコンパクトです!
ノーマルのDコンでも釣れますが、オショロコマのサイズが小さいことが多いので45ミリのコンパクトをおすすめします。
使い方としてはアップクロスorダウンクロスに投げてただ巻きもヨシ、トゥイッチもヨシといった感じです。
ロッドにプルプル感が伝わらないくらいの細かさで、Dコンの頭が軽くトントンッと左右するくらいの軽いトゥイッチがおすすめです。


※Dコンパクト(シングルフック)での1匹。
おすすめルアーNo.3:ティムコ/タイニーシケイダー
おすすめルアーの3つ目は、ティムコの蝉ルアー、タイニーシケイダーです。
オショロコマを釣るだけであれば上記のAR-sとDコンがあれば十分なのですが、こういったトップウォーター等の遊び心のあるルアーを使ってみるとまた違った楽しみ方ができます。
使い方としては、流れの緩んだところに浮かべたり、水深のある落ち込みに流したりなどで水面に惹き付けてバイトに持ち込む感じです。
完全に余談ですが、ニジマスのいる河川ではニジマスの方がよく出てくれます。

おすすめルアーNo.4:蛙/蛙スプーン3.2g
おすすめルアーの4つ目は、沖縄発のライトゲーム用スプーン、蛙スプーン3.2gです!
主にライトソルトでの釣果に定評がある蛙スプーンですが、その実力は渓流でも健在です。
スピナーやミノー等の比較的アピールの強いルアーを投げた後に、フォローのイメージで流すと今まで反応しなかった魚が興味を示したりします!

ルアーだけでなくフライやテンカラも超有効!
ここまではルアーフィッシングでのオショロコマ釣りについて書いてきましたが、もちろんフライやテンカラを用いた毛鉤の釣りでも狙うことができます。
個体数の多い川ならライズがなくても日中でもドライで出ますし、ドライで釣った後は沈めるとまた別の魚が出てきて釣れてくれます。
また、ルアーで一通り叩いた後でも、毛鉤を入れたらどこからともなく良型がヒットなんてこともあるので、普段ルアーしかやらない方でも鞄の隅にテンカラ竿を忍ばせておくのはおすすめです。

オショロコマを狙うことができる釣り堀はどこ?
オショロコマを狙うことができる釣り堀情報です!
1年を通して低水温で管理しなければいけないオショロコマは、関東の管理釣り場ではなかなかお目にかかれません。
ざっと調べた感じだと
・北海道鹿追町やまべ園
・北海道大雪つりぼり
・北海道定山渓ファーム
・群馬県白根魚苑
・群馬県イワナセンター 他
で釣ることができるようです。
(遠いところが多い…。)
また、余談ですが関東御殿場の東山湖にはオショロコマとブラウントラウトを掛け合わせてできたF1という品種が放流されています。よければ是非狙ってみてください!

神の子池の巨大オショロコマ伝説。
北海道の観光名所である神の子池には、巨大オショロコマがいるとの噂があります。
透き通った水が神秘的な神の子池ですが、確かにオショロコマは生息しています。ですが同時にサクラマスも同じ環境で生活するため、それの見間違え説が濃厚だと個人的には考えています。
今日も暑いので山作業はお休みしてドライブ中🚗
「神の子池」
オショロコマが気持ち良さそうに泳いでます😊 pic.twitter.com/BJJeXqfWxJ— まめっこ (@mamekkotv) August 28, 2020
ちなみに神の子池では釣りと潜水が禁止されているので、もし化け物オショロコマが見えていたとしても竿を振ってはいけません。
見るだけにしましょう!
北海道のオショロコマ釣りのまとめ!
北海道のオショロコマ釣り攻略法のまとめです!
・オショロコマは北海道に住むマスの仲間!
・降海型の「ドリーバーデン」が存在する
・他魚種の混獲やヒグマに注意!
・キャッチアンドリリースがGood!
・とりあえずスピナー投げとけば釣れる!
・ルアーだけでなく毛鉤でも釣れる!
・神の子池には夢がある!
こんな感じでしょうか!
地元の方も、遠征で狙いに行く方も、安全、規則、マナーを守りつつ、全力でオショロコマ釣りを楽しみましょう!
ありがとうございました。
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